守る安心、攻める改革で新たな一歩を後押し
これまでの自治体のデジタル化を担うのは情報システム担当であり、その業務内容として自治体のセキュリティを守り、システムを安定稼働させるための守りの姿勢が中心でした。しかしDX推進で重要なのは、各職員が自発的に考え、前例にとらわれない攻めの姿勢で業務を進められるかどうかです。
松阪市では2022年、DX推進に向けて全庁的な取組がスタートしました。当時はDXという概念さえあまり浸透していませんでしたが、現場職員のもとへ足を運び、「この手続き、オンライン化できると思うので、一緒にやりましょう」と声をかけながら、伴走支援する姿勢を大切にしてきました。
職員1人1人に少しずつ「自らやりたい」という想いが生まれ、庁内全体の意識変化につながっていったと思います。
職員が体験、申請者視点で変わるDX
庁内の業務改革が大きく進むきっかけとなったのは、「公用車運行日誌」のオンライン化です。
従来運転記録は手書きで行っていましたが、公用車運行日誌のフォームを作成し、車両にQRコードを設置することで、スマホからオンラインで運転記録が入力できるようになりました。公用車は全職員が利用し、かつ行政監査の対象でもあるため、庁内からの反対意見や不安も多く、課題を洗い出し、改善のために説得して回るなど、調整に苦労しました。実際にフォームを利用開始すると職員から喜びの声が多く寄せられました。オンライン化したことで記入漏れが解消され、集計作業も効率化されるなど、大きな業務改善を実現できました。職員がオンライン申請を実際に試すことができたことも特に価値があったと思います。
現場が使いこなせるツールが自治体DXの文化をつくる
市役所では多くのシステムを導入していますが、膨大な量のマニュアルと向き合いながら操作を覚えていくのが常識でした。一方、LoGoフォームは誰でも簡単に操作ができるため、職員に「まずは使ってみよう」と感じてもらいやすいです。
最近では、職員が業務を改善したいと思った時、LoGoフォームが真っ先に思い浮かぶようになったのではないかと感じます。現在、紙からオンライン化した件数は3,400件を超えています。
職員が自発的にBPRに取り組むようにもなり、組織内でDX推進の文化がつくられていきました。住民サービスにおいても、市役所は「書かせない・待たせない・迷わせない・行かせない」窓口へ変わり始めており、DX推進は新たな文化をつくり出すことだと感じています。
住民のみなさまの大切な有給休暇は、家族のために使ってほしい
市役所には多くの方が手続きに訪れますが「会社を休んで来た」とおっしゃる方が非常に多いです。24時間365日いつでもどこでもスマホで手続きができたら、大切な有給休暇を市役所のためでなく、自分や家族のために使えると思います。LoGoフォームを活用したオンライン申請により「来なくてもよい」市役所という新たな価値をもっと広めていきたいです。
行政手続きを1つでも多くオンライン化することは、困っている誰かを幸せにすることであり、ひいては松阪市全体の住民サービス向上と豊かさに繋がると信じています。
共に挑み、共に成長する。運命共同体として歩むDX
松阪市はLoGoシリーズの誕生当初から利用しており、LoGoシリーズの歩みは松阪市のDXの取組みそのものです。私個人としては運命共同体であるとすら感じています。
LoGoシリーズは、これまで行政になかった新しい仕事の進め方を提案し、市民の利便性向上や業務改革を実現してくれました。今では全職員にとってなくてはならないツールです。
これからも行政のDX推進の新しい風となり、共に新たな未来を創造できるパートナーのような存在であってほしいと願っています。
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